免許皆伝 会計事務所の実践ノウハウ
Pocket

新車よりも中古車がどれだけお得!?~節税面から見た社用車購入の判断基準~


減価償却のしくみを知ればお得なお買い物もできる

社用車として自動車の購入を考えている人もいるでしょう。ここでは、新車と中古車で、中古車がどれだけお得かを考えてみます。
当然ながら、新車より中古車のほうが安く購入することができますが、新車か中古車かで税金も変わってくるのです。
以前、『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』(小堺桂悦郎・フォレスト出版』という本がベストセラーになりましたが、この本で紹介されている一つは、この項目でわかると思います。

ポイント
1. 自動車を購入したら、新車6年、中古車2~5年で減価償却によ り費用化される
2. 利益が出ている時に買うのなら中古車がベター。
でも決算時に慌 てて購入しても、費用計上できるのは1カ月分償却費だけなので、 節税効果はあまりない。
3. 高級外車を会社で購入する場合、1,000 万円までは、まず問題なし、 1,000 万円~ 1,500 万円までは微妙、1,500 万円超は覚悟が必要

1.減価償却のしくみを知っておこう

自動車を購入した場合、その取得金額をすぐにすべて費用化することはできません。
自動車は数年にわたって使用するものですから、その使用期間に応じて費用化する必要があります。
 この使用期間のことを耐用年数といい、自動車の場合、6年と定められています。
つまり、自動車を購入した場合は、取得金額を6年間にわたって少しずつ費用化していくわけです。
例えば、500万円の新車を購入した場合、定められた計算方法に沿って計算すると、1年目は121万6,250円(決算までの7カ月分のみ)を費用化できます。
2年目は157万7,823円、3年目は91万9,871円……となります(この場合、定率法の計算式による)。
このように、6年間にわたって費用化するわけです。

2.中古の場合は耐用年数が変わる

ところが、中古資産の耐用年数は、定められた耐用年数をもとに計算し、短くすることができます。
中古資産はあまり長く使用することができないと考えられることから、このような計算を行うわけです。
その計算式は、次の通りです。

 中古資産の耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

なお、計算結果に端数が出たときは切り捨てて計算してください。
ただし、2年未満となった場合は、2年が耐用年数です。

3.レクサスとベンツではどちらが得?

以上をふまえて、新車と中古車を比べてみましょう。
例えば500万円の新車レクサスと中古のベンツをそれぞれ購入したとします。

新車と中古車の減価償却の比較

費用計上の比較
このベンツが初年度登録されたのは、2005年11月です。
自社が購入したのは2009年9月ですから、経過年数は3年10ヶ月になります。上記の計算式にあてはめて耐用年数を計算してみましょう。
年で計算できないときは、月数に換算して計算を行います。

中古ベンツの耐用年数=(6年-3年10ヶ月)+3年10ヶ月×20%
          ={(72カ月-46カ月)+46カ月×20%}÷12カ月
          =2.9333年→2年(端数切捨)

耐用年数は、2年になりました。
ここでポイントがあります。
定率法において、2年償却については、償却率が100%になり、実質的に1年間で償却が可能となるのです。
この例では、期中に取得しているため(3月決算で購入月が9月)、初年度は7ヶ月分(12ヶ月-5ヶ月)の償却費を計上していますが、次年度には残存価額1円を残して、全額償却することができます。

中古のベンツのほうが、ずっと節税になることがわかると思います。
なお、ここで言う節税効果とは、課税の繰り延べのことです。
仮に3年目に300万円で売却すると、300万円-簿価1円=299万9,999円が法人の利益として計上されますので、注意が必要です。
その意味では、利益が出ているときに中古車を購入し、赤字のときに売却すると、かしこい節税と言えるでしょう。

4.フェラーリやポルシェを買ったら…

ひと昔前、ベンツやBMWが贅沢品として税務調査で指摘されていた時代がありました。
すなわち経営者が個人的な趣味嗜好で購入した高級外車は、会社の経費ではなく、経営者に対する役員賞与だという見方です。
では、現在どうかというと、ベンツやBMWよりも日本製のレクサスの方が高いモデルもあるくらいです。
感覚としては1,000万円前後の実用性のある車種であれば、メーカーを問わず問題にならないと思われます(都市部と地方では少し上限金額に違いが出るかもしれません)。
あくまでも個人的な見解ですが、1,500万円以上の2ドア高級外車は、税務調査で指摘される覚悟が必要です。
まさに、フェラーリやポルシェがこれに該当してきます。
絶対にフェラーリやポルシェが税務署に否認されるという訳ではありませんが、会社の業務上、実用性、安全性を十分兼ね備えている1,000万円前後の車ではなく、さらに高額なフェラーリやポルシェでなければならない理由が必要となってきます。
すなわち、十分な業務関連性や経済合理性が問われるということです。
必ず税務署が認めるという保証はありませんが、会社の広告塔として社長と伴にメディアに数多く露出させたり、社員の福利厚生目的で貸出を行ったりすることも有効だと思います。
あえて挑戦する場合は、相当の理由をあらかじめ用意し、顧問税理士と十分相談して下さい。

【免責及びご注意】
読者の皆さまの個別要因及び認識や課税当局への主張の仕方により、税務リスクを負う可能性も十分考えられますので、実務上のご判断は、改めて専門家のアドバイスのもと、行うようにして下さい。
弊社は別途契約を交わした上で、アドバイスをする場合を除き、当サイトの情報に基づき不利益を被った場合、一切の責任を負いませんので、予めご了承ください。


お気軽にお問い合わせ下さい。
お電話によるお問い合わせ メールによるお問い合わせ

❖お電話によるお問合せ: 0120-62-1090 (受付時間:月曜日から金曜日10:00-18:00※祝祭日を除きます) ❖電子メールによるお問合せ: 土日祝日を除き、原則48時間以内にご連絡させて頂きます。 ❖お客様の個人情報の取り扱いに関しましては、▶個人情報保護方針をご参照ください。