免許皆伝 会計事務所の実践ノウハウ
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嬉しかった給料日が憂鬱な日に!? ~社員・アルバイトへの給与支払いと税金・保険~


給与関連費用とキャッシュフローに注意しよう

人件費をどう捉えるか、経営者の勘どころについて考えてみましょう。そもそも、人件費を考えるには、3ステップがあります。

 ステップ1 自分および身内だけで切り盛りする

  →当然、人件費は発生しない(自分や妻などの役員報酬だけ)

 ステップ2 アルバイトを使うようになる

  →時給または月給に交通費を加算する
   給与に対する源泉徴収は1人あたり数千円レベルですむことが多く、それほど考慮を要さない

 ステップ3 社員を採用する

  →人件費負担を考慮しなければ、赤字経営や資金繰りが窮地に陥ることになる

ポイント
1.社会保険に加入した場合、額面給与の 2 割増しの人件費を見込む 必要あり
2.源泉税の納付を年2回としている場合、また労働保険申告にとも なう保険料の支払い時(毎年 7 月)には、資金繰りに注意する
3. 人件費には消費税がかからないため、人件費割合が高い会社の場 合、消費税の負担が重くなる

1.社員を採用したときにかかる給与以外のお金

上記の3つのステップのうち、やはり一番考慮が必要なのはステップ3です。ステップ2の源泉徴収とは、アルバイトや社員に支払う給与から所得税分を天引きして、会社が個人に代わって納付することです。もちろん、資金繰りに影響してくることですが、アルバイトの源泉徴収であれば、数千円レベルですむのがほとんどですので、深刻に考える必要はないでしょう。ところが、ステップ3の社員となると、そうはいきません。例えば、下図のモデルケースで見てみましょう。
給与にかかる源泉所得税、社会保険料

社員を採用したときにかかる給与以外のお金

社員を3名採用し、給与をAが35万円、Bが30万円、Cが25万円とすると、単純に合計で「人件費は90万円」と考えがちです。しかし、ここに落とし穴があります。会社が負担する社会保険料があるからです。

2.会社負担分を考慮した人件費は給与額の120%

それでは、社会保険料について見てみましょう。

会社負担分を考慮した人件費は給与額の 120%

社会保険料の個人負担と会社負担
社会保険には、個人負担分と会社負担分があり、個人負担分については、支払う給与から天引きします。そのうえで、会社負担分をあわせて、会社が納めるというしくみです。政府管掌(かんしょう)の健康保険の場合、保険料は賃金(給与+通勤費等)の概ね8.2%です。これを個人と会社で50%ずつ負担します。
※平成21年9月以降、都道府県ごとに設定されます。ちなみに、料率が低いところは長野県で8.15%、高いところは北海道で8.26%です。参考までに東京都は8.18%、大阪府は8.22%となっています(平成21年9月現在)。その他の厚生年金保険、雇用保険、労災保険も合わせると、会社が負担する料率は13.125%となります。金額にして計算してみましょう。
給与手取り額と会社負担社会保険料と総支払額

人件費は額面給与の 120%

この計算では、毎月の総支払額の合計は約105万円となります。その他もろもろ費用がかさむことを加味すると、「人件費は額面給与の120%」と考えておく必要があるでしょう。

3.源泉徴収した所得税を年2回支払う場合の注意点

源泉徴収は、基本的に毎月、源泉徴収して、翌月の10日までに支払います。しかし、事務作業が繁雑になるため、10人未満の会社では、届け出をすると納付を年2回にすることができます。ただし、半年分をまとめて払うことになるため、キャッシュフローに注意しなければなりません。また、労働保険料の支払いは、年に1回です。これも1年間分をまとめて支払うため、資金繰りに注意しましょう。

4.人件費割合が高い会社の注意点

極端な例ですが、下記のような損益計算書の会社があった場合、消費税は売上げ1,200万円の5%を支払う必要があります。すなわち60万円(1,200万円×5%)です。

人件費割合が高い会社の注意点

人件費が高い会社の留意点
これは、人件費相当額が「消費税の課税仕入」に該当しないためです。消費税は、たとえ利益が発生しなくても支払う必要があります。経営者の方がよく間違えるポイントですので十分に注意して、資金繰りを考えましょう。

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