借り上げ住宅が課税される仕組みとは?知っておきたい3つの節税ポイント
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借り上げ住宅が課税される仕組みとは?知っておきたい3つの節税ポイント


借り上げ住宅は、会社の節税対策に大きく貢献することができます。
しかし、節税するためのポイントを理解していなければ、会社も従業員も損をすることになってしまいます。
ここでは借り上げ住宅を活用した節税ポイントを3つご紹介します。
この3つのポイントをしっかりおさえれば、税金を安くすることができるようになります。

|-役員や従業員から借り上げ住宅の家賃を受け取らないと課税されます

借り上げ住宅を役員や従業員に貸すときは、役員や従業員から借り上げ住宅の家賃を必ず受け取るようにするようにしましょう。
役員や従業員から借り上げ住宅の家賃を受け取らずに、借り上げ住宅を無償提供してしまうと、経済的利益として家賃相当額が給与支給されたとみなされてしまうからです。
給与の支給額が上がると、以下のような税金負担が重くなります。
・役員や従業員の給与から引かれる所得税(源泉所得税)が高くなる
・役員や従業員の給与から引かれる健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料が高くなる
・会社が負担する従業員の健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料が高くなる
役員や従業員から家賃を受け取ることができれば、給与支給額が上がることはありません。
そのため、税金や社会保険の負担が重くならずに済むのです。
ちなみに借り上げ社宅ですので、必ず会社が賃貸契約を結ぶ必要がありますので、お忘れなく。

それでは、役員や従業員が支払う家賃はどのくらいの金額であればよいのでしょうか?

|-従業員から家賃を受け取ったとしても[法定家賃※の50%未満]だと課税されます

従業員から家賃を受け取ったとしても、その金額が法定家賃の50%未満の場合は法定家賃と実際の家賃負担額の差額が給与として課税されるため、税金や社会保険の負担が重くなります。

法定家賃とは、給与として課税されるかどうかのボーダーラインとなる金額のことをいいます。
法人が貸主へ支払っている実際の家賃とは異なり、所得税基本通達で定められた以下の計算式の合計額となります。
(1) その年度の借り上げ住宅の固定資産税の課税標準額×0.2%
(2) 12円×(借り上げ住宅の総床面積/3.3㎡
(3) 借り上げ住宅の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%
※「法定家賃」ではなく「賃借料相当額」が正しい名称ですが、わかりやすく解説するためにここでは便宜上「法定家賃(税法上の規定で計算された課税が生じない家賃のこと)と言い換えることとしています。

計算するためには、貸主であるオーナーから、建物や敷地の固定資産税の課税標準額を教えてもらう必要があります。
もし入手が困難な場合は、借主として、役所で証明書を入手することができます。
たとえば、法定家賃(=上記の(1)から(3)の合計額)が10万円だった場合は、その半分の5万円以上を家賃として受け取らないと課税されてしまうことになります。

|-役員から家賃を受け取ったとしても[法定家賃未満]だと課税されます

役員から家賃を受け取ったとしても、その金額が法定家賃未満の場合は税金や社会保険の負担が重くなってしまいます。

役員の場合の法定家賃は以下の(1)、(2)のいずれか大きい方となります。
一般的には、(2)の方が大きくなります。

(1) 固定資産税課税標準による計算
次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。
イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。
ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

(2) 実際の家賃の50%

<役員の場合の例外規定-小規模住宅の場合は従業員の法定家賃計算に準拠(1/2減額規定は無し)>
ただし小規模住宅の場合は、実際の家賃の50%を法定家賃として徴収していなかったとしても課税されないというルールがあります。
小規模な住宅とは、
・建物の耐用年数が30年以下の場合には床面積が132㎡(共用部分含む)以下である住宅
・建物の耐用年数が30年を超える場合には床面積が99㎡(共用部分含む)以下である住宅
をいいます。

たとえば借り上げ住宅が、
・鉄筋鉄骨コンクリート造
・耐用年数が47年
・床面積が90㎡(共用部分含む)4LDK
・家賃30万円
という場合で考えてみましょう。
実際の家賃の50%である15万円を自己負担しなくとも、上記従業員の場合の計算に基づく法定家賃を徴収していれば、給与として課税されないということになります。過去の経験から、大体実際の家賃の15-20%相当額以内に法定家賃が収まるケースが多いです。

|- 住宅手当などを支給すると課税されます

会社が従業員へ提供するものが、借り上げ住宅ではなく「住宅手当」や「住宅補助」の場合は、課税されてしまいます。
会社が従業員へ住宅手当などを支給することで、従業員の給与額が増えることになってしまうからです。前述したとおり、従業員の給与額が上がれば年収が上がることになるため、会社や役員、従業員の所得税や社会保険負担が重くなるという結果を招いてしまうのです。

まとめ

借り上げ住宅を使って節税効果を最大限にするためのポイントは以下の3つです。
1. 借り上げ住宅を役員や従業員へ貸すときは、必ず家賃を受け取るようにする
2. 役員や従業員から受け取る家賃は、細かく定められた法定家賃(従業員の場合は法定家賃の1/2)以上とする
3. 住宅手当を支給すると会社、役員、従業員それぞれの租税負担が大きくなる
これらのポイントをおさえれば、効果的な節税を実現することができます。是非参考にしてみてください。

参考URL
https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2597.htm
http://u0u0.net/BmFS
http://www.nikkeibp.co.jp/article/miraigaku/20140612/402408/
https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2600.htm

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