免許皆伝 会計事務所の実践ノウハウ
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フリーランスと会社設立は似て非なるものなり! ~あなたの独立はどっち?~


節税、初期費用などコスト面だけで決めたら、きっと失敗する?!

一から事業を始めようというとき、「個人事業なのか会社なのか、どっちを選ぶべきなのか?」は悩むところです。ビジネス書を読み漁っても案外答えは見つかりません。

 -法律面・税金面でどっちが得なのか?
   「個人事業は無限責任で会社は原則有限責任だから…」
   「税率は所得税と法人税では…」
   「役員報酬に対する税務上の制約事項を考えると…」
 -費用面や体外的な信用で考えるとどっちがいいのか?
   「個人事業なら名刺の印刷代だけ。
   法人なら設立するだけで20~30万円かかるし…」
   「名刺にやっぱり㈱の文字がないとカッコ悪いし…」
   「法人でないと取引してもらえないし…」
このあたりがポイントになって、「じゃぁ、会社設立だ!」「やっぱり個人事業だ!」と判断してはいないでしょうか?

ポイント
1. 属人的なビジネスモデルか、組織で収益を上げるビジネスモデル かを考える
2. 個人事業からのスタートすると、個人で2年、法人で2年、合わ せて最大4 年間の消費税納税義務が免除される
3. 個人事業ではなく法人設立する必然性を自分の中で明確化するこ とが大事

1.ビジネスモデルから自分のビジネスを考えてみる

フリーランスとは、どこかの会社等と専属契約を結ばずに、いろいろな会社から業務を請け負うスタイルの個人事業者のことです。
ここで着目して頂きたいことは、属人的なビジネスモデルなのかそれとも、組織で収益を上げていくビジネスモデルなのかを意識するということです。
属人的なビジネスモデル

作曲家、漫画家、弁護士、建築家、タレント、プロスポーツ選手、システムエンジニアなど

組織的なビジネスモデル

小売業、卸売業、飲食店、広告代理店、旅行代理店、貸金業、制作会社など

属人的ビジネスモデルの特徴は、起業した経営者が病気等で業務に従事出来なくなると、収入が上がらなかったり、激減してしまうことが容易に想像できます。

組織的なビジネスモデルの特徴は、ビジネスの仕組みを構築することで、起業した経営者が病気等で業務に従事できなかったとしても、すぐに収入が減少する恐れが少ないことです。

属人的なビジネスは、自分の能力を最大限発揮できる環境を整えることが重要です。組織的なビジネスは、役割分担された複数のスタッフが有機的に機能することで、収益を上げる仕組みを作ることが重要です。
ただし、属人的なビジネスも、複数の専門家を組織化することで、組織的なビジネスモデルに移行することが可能です。たとえば監査法人や大手法律事務所、大手設計事務所などです。

特徴としては、個々の専門家1人では対処できない大規模な仕事が存在することです。もし個人でも十分対応可能な仕事ばっかりだと、組織に所属していた専門家は早晩、組織から離れていくでしょう。

極論すると、属人的なビジネスモデルは、最初の立ち上げ時に法人組織に必ずしもする必要性はないと言えます。

逆に言うと、会社を設立するのであれば「組織で収益を上げるためにどのような戦略を立てるべきか」を念頭に置くことが大切です。独立起業する方の中には、起業イコール会社設立と考えて疑わない方もいますが、本当に会社を設立する必然性を冷静に検討してみましょう。

 (1)業務上、会社組織でなければ実際支障があるのか?
 (2)個人事業のイメージが抱けていないだけではないか?
非常に乱暴な比較ですが、個人事業と会社の違いは、
 ①名刺に㈱がついているか否か
 ②銀行預金通帳の名義の表示が違う

 会社の場合:○○○株式会社 代表取締役 東京太郎
 個人の場合:○○○ 代表 東京太郎

くらいの違いです。

法人と個人で税制が大きく違うことは事実ですが、大局的に見て、自分の報酬を除いて年間800万円位の利益がなければ、税制面を考えるのは後回しにしてよいでしょう。
当初より法人として事業を開始するよりも、2年ほど個人事業として事業を営み、軌道に乗ってきた時点で法人化(資本金1000万円未満)すれば、通算で4年間も消費税の納税義務を回避することができます。
これは結構大きなメリットです。最初から法人組織であれば、そのメリットは享受できません。

2.それでも会社を設立したい!?

決して会社を興したい人に水を差すつもりはありません。ただ、起業を考えて相談してこられる方のほとんどが、自分のビジネスモデルについて考えていないというのも事実です。1時間程カウンセリングを行った結果、会社ではなく、まずは個人事業からスタートすることを決意される方が2割以上です。設立時のコストや節税面、体外的な信用などと一緒に自分のビジネスに適した形態は何なのか考えてみるようにしてください。

会社を設立して事業を行いたいという人は、ぜひ、組織として収益が上がる仕組みを作り、その組織を育てるという意識を持って事業に取り組んでください。

組織的なビジネスモデルは、自分自身の労力の数倍の結果を得る可能性があります。これをレバレッジ効果と言います。一方、属人的なビジネスモデルではレバレッジ効果は残念ながらあまり期待できません。そのため、属人的なビジネスモデルでは、フリーランスであっても、会社を設立した場合であっても、年間の売上高はあまり変わりがないという結果になります。

会社の場合は年間の維持コストがフリーランスと比べて高くなり、また制約の多い法人税法の適用を受けることから、上述した年間利益800万円程度に到達するまでは、フリーランスとして事業を行うのが無難ではないでしょうか。

最後に、属人的なビジネスモデルを組織的なビジネスモデルに転換するポイントについてご説明します。
まず自分よりも経験やスキルが乏しくとも、代わりに業務を行ってくれる専門スタッフを採用し、経営者は新規営業と社内スタッフのスキルアップのための支援、組織として業務を行うための仕組み作りに重点を移します。
その結果受注が増えてくれば、専門スタッフの数も比例して増やしていくことができます。
この過程で法人化することも悪くないでしょう

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