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みんな間違える期ズレの落とし穴 ~発生主義と費用収益対応の原則~


税務調査で期ズレが見つかると追徴されてしまう!?

税務調査の際、必ずチェックされるのが売上げや仕入れの期ズレです。
ミスが起こりやすい部分ですので、きちんと確認しておきましょう。
会計原則には、「発生主義」「費用収益対応の原則」とがあります。
「発生主義」とは、現金の収入や支出に関係なく、収益や費用の事実が発生した時点で計上しなければならない、というものです。
例えば売上げは、商品を納品して請求書を発生した時点で計上します。
まだ実際には代金を受け取っていなくても、収益が発生しているのは商品を納品した時点ですから、このような処理を行うわけです。
一方、「費用収益対応の原則」は、収益と費用をできる限り因果関係に基づいて把握する、というものです。
収益を上げるには必ず費用がかかりますので、この収益と費用は対応させて計上するわけです。

ポイント
1. 納品、役務提供完了時に売上げ、費用を計上すること
2. 売上げと対応する原価、外注費は同じタイミングで損益を計上す ること

1.決算期にありがちな勘違い

税務調査の際、調査官が確認するのは、売上げが「当期に計上しなければならないのに、翌期に計上されていないか」ということです。
仕入れに関しては、「翌期に計上されるものが、当期に計上されていないか」をチェックされます。
ポイントは、「売上げや仕入れ・外注費がそれぞれ納品や役務提供完了時に計上されているかどうか」です。
よく勘違いされるのが、「決算月に納品したけれど、請求書を出さなければ売上げは計上しなくてもよいのでは?」ということです。
これはNGですので、必ず納品した月に計上するようにしましょう。

2.締め後売上げ

締め後に売上げを計上するのも、期ズレの一種です。
具体的な例で紹介しましょう。
毎月20日を締め日とし、請求書を発行している会社の決算日が3月末だった場合を考えてみます。
このケースでは、例えば2月21日~3月20日までの請求書を3月20日に発行します。
事務手続きをシンプルにするため、締め日にまとめて請求書を発行する会社は多いはずです。
ところが、決算日は3月末になります。
3月20日に締めた後、3月31日までの10日間に発生した請求に関しては、請求書の日付が4月20日になるでしょう。
しかし、この10日間分は3月分として、当期に計上する必要があります。
そのため、決算月の21日から月末日までに納品した商品を拾い出して、当期の売上高として計上しなければなりません。
ただし、特例として、①商慣習など相当の理由があり、②決算期末からおおむね10日以内(20日締め、25日締め)、③毎期、継続して適用している場合は、締め後売上げを当期の売上高として計上しなくてもかまいません。
もちろん、この場合も売上げだけでなく、仕入れも同じ基準で取り扱う必要があります。

3.売上げと仕入れと在庫(売上げと外注費と仕掛かり)

売上げと仕入れと在庫を対応させることも、重要ポイントです。
売上げと仕入れと在庫の関係については、特に決算日をはさんだ取引に関して、慎重に整理してください。
①決算日近くで仕入れた商品が在庫に計上されていないか?

仕入れた商品が在庫で計上されていないと、売上原価が過大計上となって、税務調査で指摘されてしまいます。
②計上されている外注費に対応する売上げが計上されているか?

「費用収益対応の原則」により、外注費の計上は、それに対応する売上高とペアで計上しなければなりません。
翌期に売上げが計上されるのであれば、今期に支払った外注費は「仕掛品」または「前払い金」といった資産勘定で処理して、翌期の売上高に対応して費用化させましょう。

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