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どうする !?夫婦間の所得分散~税金の考え方、社会保険との相関性(代表者の配偶者編)~


安易に妻を扶養扱いにするのはどうか

「社長の役員報酬をいくらにしたらよいか」という質問とともによく受ける のが、妻の役員報酬に関する質問です。
基本的な考え方としては、社長の役員報酬の場合と同様、法人利益や所 得税等と最適化することがポイントとなります(「税 04 高くつくのはどっ ち !? 役員報酬VS法人利益」参照)。
所得税については、超過累進課税方式となっていますので、社長1人で報 酬を独占するよりも、妻を経営に参加させて所得を分散させた方が節税効果 は上がります。
その一方で、妻については年間 103 万円超の収入があれば配偶者控除の 適用がなくなり、また年間収入 130 万円以上であれば社会保険料の支払い が生じてきます。
年間収入を 103 万円以下として、所得税や社会保険料の 負担を発生させないようにしているケースが多いと思いますが、実際には、 夫婦の報酬の合計額によって節減効果は異なります。
本稿では、その合計額と夫婦間の所得割合をシミュレーションした結果を まとめてみました。

「どうする !?夫婦間の所得分散」に関する解説は以下の通りです。
お役に立てれば幸いです。

ポイント
1. 役員報酬 1,000 万円までは妻への報酬は扶養の範囲内で十分
2. 役員報酬 1,000 万円を超えてくれば、妻への報酬を 50%を上限 に所得分散の効果あり
3. 所得分散効果は所得税の最高税率適用ラインまでで頭打ち (目安は 1 人当たり役員報酬 2,250 万円、節税効果上限は約 300万円)

1. 妻の報酬を扶養内に抑えるのが良いケース

例として合計役員報酬が 500 万円と 1,000 万円の場合でみてみましょう。
妻の報酬を扶養内に抑えるのが良いケース
合計役員報酬が 500 万円と 1,000 万円の場合
報酬の合計額が 500 万円の場合、妻の役員報酬を扶養の範囲内に設定す るのが、最も節税効果が高いことが分かります。また 1,000 万円の場合で も夫婦の役員報酬を折半した場合と扶養の範囲内に設定した場合で、0.34% (20.88%- 20.54%)しか変わりませんので、500 万円のケース同様に、 扶養の範囲内に設定するのが賢明でしょう。

2. 妻の報酬と平均化することにより節税効果を生むケース

例として、合計役員報酬が 2,000 万円の場合でみてみましょう。
妻の報酬と平均化することにより節税効果を生むケース
合計役員報酬が 2,000 万円の場合
報酬の合計額が 2,000 万円の場合、夫婦の役員報酬を均等に設定するのが、 最も節税効果を生むことが分かります。
妻の役員報酬をゼロとした場合に対 して、夫婦役員報酬を折半した場合では 6.33%(31.28%- 24.95%)もの 節税効果を生みます。
金額にすると 2,000 万円× 6.33%= 126 万円にもなっ てしまいます。
※あくまでも理論計算です。
妻の役員報酬が実態を伴っていない場合、税 務署に否認されますので、十分注意が必要です。

3. 妻の報酬と平均化しても節税効果が頭打ちになるケース

夫婦の報酬合計が 4,500 万円を超える場合、報酬を平均化(1 人当たり 2,250 万円)しても、夫婦ともに所得税の最高税率(課税所得金額が 1,800 万円以上の場合:最高税率 40%)となります。
そのため、夫婦間で所得を 分散したとしても、同じ最高税率の 40%(住民税 10%を加えると 50%) が適用されるようになります。
その結果、所得分散効果は頭打ちとなります。
ちなみに、夫婦間での所得分散による節税効果の上限は、約 300 万円です。
すなわち夫が一人で 4,500 万円以上の役員報酬をもらう場合とその金額 を夫婦で折半する場合とでは、手取金額の差異が約 300 万円生じるという ことです。
繰り返しとなりますが、現実には妻の役員報酬が過大だと、税務上、損金 否認を受ける危険性が高くなります。
あくまでも理論値だとご理解ください。
いずれにしても、期首に一度決定した役員報酬は、原則として期中に変更 することはできませんので、まずはしっかりと経営計画を立てることが大切 となります。

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