継続化の仕組みを考えていますか!? ~ゴーイングコンサーンを意識しよう!~

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継続化の仕組みを考えていますか!? ~ゴーイングコンサーンを意識しよう!~


フロー型ビジネスの継続化という視点

事業を行う際、ストック型ビジネスの仕組みを構築することで、安定成長できる事業基盤を構築することは非常に重要なことです。
しかし、商売によっては、ストック型ビジネスモデルとすることがなかなか難しいケースも多々あります。その場合、そのビジネスを諦めるのではなく、フロー型ビジネスの継続化の仕組みを考えることが重要です。
その継続化できたフロー型ビジネスはストック型ビジネスと同等の価値を生むことができるのです。

ポイント
1. フロー型ビジネスの継続化が事業基盤を強くする
2. 同じ顧客が定期購入・利用するための仕掛けを考える
3. 中長期事業計画のテーマとしてフロー型ビジネスの継続化に取り組む

1.収益を生むプラットフォーム

商売によって事情は異なりますが、消費者向け物販やサービス、事業者向けサービスなど、一度購入してもらうとそれで完結してしまう商売の場合を考えてみましょう。
これらは、販売促進や広告戦略が功を奏すると収益が上がり、空振りすると一瞬にしてキャッシュフローが厳しくなるようなビジネスモデルです。永続していく企業(ゴーイングコンサーン)を作ることは到底無理と言わざるを得ません。
そのため、同じお客様に定期的に購入または利用してもらえる仕組みを考えることで、事業基盤を築いていくことが重要になります。

2.独自の囲い込み戦略を実施できるかが鍵

BtoCとなる消費者向けサービスや物販は、商取引が1回1回独立していて、なかなかストック型ビジネス化が難しいと思われるかもしれません。
実際難しいと思いますし、無理やりストック型ビジネスモデルだけで事業展開を図ると、まず長くはもたないでしょう。
会員特典を準備し、会員はお得だという印象を与えることも忘れてはいけません。
①起業時、組織を維持運営していけるところまでは、フロー型、ストック型を意識せず従前よりある基本的なビジネスモデルで頑張る。
②事業が軌道に乗ってきたら、ストック型ビジネスの導入を検討する。

 [定期的に購入又は利用してもらえる仕組みの例]
  雑誌の書店販売       → 雑誌の定期購読販売化
  ソフトウエアの通信販売   → バージョンアップ及び保守付
                     会員制度の導入
  ワイン専門ショップ店頭販売 → 毎月厳選ワインを12ヶ月届ける
                     会員制度の導入  など

このように、フロー型ビジネスモデルをストック型に進化させるのは工夫次第です。会員組織化により、売上げの見通しが立てやすくなり、広告宣伝費を圧縮することができます。
その経費削減分を会員サービスに還元すれば、会員の満足度も上がり、さらなる会員の獲得にも寄与する、と言った非常によいビジネスの循環をもたらすことでしょう。
しかし、会員組織化は魅力ある商品やサービスをお客様に提供し、高い評価を受けているという基本的な土壌が必要となります。
最初から会員組織化を中心に置いたビジネスモデルでは、必要な会員数に到達させることは難しいため、3~5年の中長期事業計画に盛り込んで、長期的な視点で取り組んでください。

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