海外から招へいする教授や大学生

Q:企業が海外の大学から教授と大学院生を招待した際、税務上何か問題が生じるのでしょうか?

海外の大学で先端技術の研究を行っている教授と大学院生や大学生を、自社に招待して意見交換や親睦の場を設けた場合、課税上何に注意すれば良いのでしょうか?

[1] 謝金について

招へいした大学教授に講演を依頼し謝金が生じるケースも多いと思いますが、その場合は原則的に源泉徴収(20.42%)が必要となります。しかし租税条約を締結している国の居住者であり、かつその租税条約に免税条項があれば、事前に届出書を提出することで源泉徴収不要となります。

[2] 渡航費(旅費交通費)について

招へいした大学教授や学生の渡航費を負担した場合、源泉徴収義務が生じるか否かについて、以下の通達(所得税基本通達)を検討する必要があります。

要訳すると、たとえ渡航費という名目だったとしても謝金(報酬)の性質を有する支払いは、所得税課税(源泉徴収)の対象となるということです。但し、その渡航費を招へいした本人に渡すのではなく、旅行会社や宿泊施設などに直接支払う場合でその金額が妥当であれば、源泉徴収しなくても良いということを定めています。

もちろん租税条約の適用の有無は別途考慮が必要です。


(旅費、滞在費等)

161-19 法第161条第1項第6号に掲げる対価には、非居住者が同号に規定する人的役務を提供するために要する往復の旅費、国内滞在費等の全部又は一部を当該対価の支払者が負担する場合におけるその負担する費用が含まれることに留意する。ただし、その費用として支出する金銭等が、当該人的役務を提供する者に対して交付されるものでなく、当該対価の支払者から航空会社、ホテル、旅館等に直接支払われ、かつ、その金額がその費用として通常必要であると認められる範囲内のものであるときは、この限りでない(平28課2-4、課法11-8、課審5-5追加)。

<以下、参考までに国内居住者の場合の規定も掲載しておきます>

(報酬、料金等の性質を有するもの)

204-2 法第204条第1項第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる報酬、料金又は契約金の性質を有するものについては、たとえ謝礼、賞金、研究費、取材費、材料費、車賃、記念品代、酒こう料等の名義で支払うものであっても、同項の規定が適用されることに留意する。

(報酬又は料金の支払者が負担する旅費)

204-4 法第204条第1項第1号、第2号、第4号及び第5号に掲げる報酬又は料金の支払をする者が、これらの号に掲げる報酬又は料金の支払の基因となる役務を提供する者の当該役務を提供するために行う旅行、宿泊等の費用も負担する場合において、その費用として支出する金銭等が、当該役務を提供する者(同項第5号に規定する事業を営む個人を含む。)に対して交付されるものでなく、当該報酬又は料金の支払をする者から交通機関、ホテル、旅館等に直接支払われ、かつ、その金額がその費用として通常必要であると認められる範囲内のものであるときは、当該金銭等については、204-2及び204-3にかかわらず、源泉徴収をしなくて差し支えない。


租税条約の適用が難しい場合であれば、学生であっても課税が生じるのか?という疑問が生じないでしょうか?

着目すべきは、謝金(報酬)支払われるか否かで、もし謝金は支払われずに、単純に渡航費実費のみ負担する場合は、上記通達の対象となってこないため、源泉徴収の必要はないと考えられます。

逆に、学生であったとしても講演や講義を行ってもらい、謝金を支払うとともに渡航費も本人に渡すような場合は、源泉徴収の対象になってしまうということです。(租税条約の適用がない場合)

[3] まとめ

海外から招へいした教授や学生に支払いを行う場合は、まず謝金を支払う対象か否かを確認を行い、謝金を支払う場合は、租税条約適用の有無を検討し、渡航費負担を含め源泉徴収を行う必要があるか否か判断しましょう。


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